●排水について
2025年4月1日より、排水基準を定める省令の改正に伴い、公共用水域などの水質汚濁防止を目的として、「大腸菌群数」に代わり「大腸菌数」が新たな排水基準項目として適用されることとなりました。
経緯・背景
2022年4月、環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準の項目である「大腸菌群数」については、簡便な大腸菌の培養技術が確立されたことを踏まえ、より的確にふん便汚染を捉えることができる指標である「大腸菌数」に見直されました。
こうした環境基準の見直し状況を踏まえ、公共用水域及び地下水の水質の汚濁を防止するため、水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る基準を定めている以下の省令に関して改正が行われました。
排水基準を定める省令(昭和46年総理府令第35号)の改正
【現行】
項目:大腸菌群数
許容限度:日間平均3,000個/cm3
【2025年4月1日以降】
項目:大腸菌数
許容限度:日間平均800CFU/mL(CFU:Colony Forming Unit(コロニー形成単位))
検定方法:下水の水質の検定方法等に関する省令(昭和37年厚生省・建設省令第1号)に規定する方法
※し尿処理施設の維持管理の技術上の基準や一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場から排出される放流水の排水基準等を定めている省令(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令の改正、一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令の改正)に関しても同様の改正が行われました。
大腸菌群数と大腸菌数
従来の大腸菌群数の測定方法では、糞便由来ではないとされる菌種も検出されます。そのため、「大腸菌群数」では糞便汚染を的確に捉えられていない恐れがありました。
今回の改正で、「大腸菌群数」に代わる指標として「大腸菌数」を用いることになり、糞便汚染をより的確に評価することが可能となります。
株式会社日吉「水質汚濁防止法の改正に関するお知らせ」
参考:水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令の公布について, 環境省HP, https://www.env.go.jp/press/press_02672.html
生活環境項目環境基準における大腸菌群数について, 環境省HP, https://www.env.go.jp/council/09water/y0916-9/mat02.pdf
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令等の公布について, 環境省HP, https://www.env.go.jp/press/press_04498.html
●浴槽水について
2025年4月1日より、下水の水質の検定方法等に関する省令が一部改正されることを踏まえ、「大腸菌群数」に代わり「大腸菌数」が新たな浴槽水の水質基準項目として適用されることとなりました。
経緯・背景
下水の水質の検定方法等に関する省令及び下水の処理開始の公示事項等に関する省令の一部を改正する省令(令和6年国土交通省・環境省令第1号)による下水の水質の検定方法等に関する省令(昭和37年厚生省・建設省令第1号)の一部改正が令和7年4月1日に施行されることを踏まえ、「公衆浴場における水質基準等に関する指針」が改正されることとなりました。
公衆浴場における水質基準等に関する指針の改正
【現行】
項目:大腸菌群
許容限度:1個/mL
【2025年4月1日以降】
項目:大腸菌数
許容限度:1個/mL
検定方法:下水の水質の検定方法等に関する省令(昭和37年厚生省・建設省令第1号)に規定する方法
参考:公衆浴場における衛生等管理要領等について(全文)(令和7年3月11日時点), 厚生労働省HP, https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001354022.pdf
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弊社では、2025年4月1日より新しい基準での分析検査サービスをご提供致します。
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(このコラムの監修者:分析検査部 赤井)