有機溶剤の循環活用と微量元素分析

 中東情勢の影響によるナフサ供給の不安定化で、有機溶剤の価格や納期は変動しやすくなっています。特にナフサ由来の石油系溶剤は原料の供給状況に左右されやすく、安定調達が大きな課題です。こうした中で、調達面では単一地域依存を避け、代替溶剤、複数サプライヤーからの供給などの対応が実施されています。これらの対応に加え、使用済み溶剤を回収し、再生して再利用する循環型の取り組みが注目されています。

 有機溶剤のリサイクルはサーキュラーエコノミー(循環経済:従来の3Rに加えて、資源投入量や廃棄物を抑えながら資源や製品の価値を最大化する経済活動で、捨てる前提ではなく循環させる前提の経済。)の考えの下、資源を一方向に使い切るのではなく、回収して再び工程に戻すことが重視されます。

 一方で有機溶剤のリサイクル市場はまだ十分に活性化しているとはいえません。回収や再生には設備投資や品質管理が必要であり、すべての用途で広く使われているわけではないのが実情です。特に高純度が求められる分野では、再生品を安心して使うための評価体制が欠かせません。

 そこで役立つのが、有機溶剤中の微量元素分析です。当社ではクリーンルーム環境とICP-QQQ(トリプル四重極ICP-MS)を活用し、有機溶媒のままppt〜ppbレベルで評価できるため、干渉を抑えながら極微量の金属を高感度に測定しています。

 今後は、調達リスクへの備えと循環型経済の推進が同時に進み、リサイクル溶剤の重要性はさらに高まると見込まれます。分析技術は再生溶剤の品質を支え、資源循環を実現するための基盤です。循環型のものづくりを進める企業にとって、有機溶剤の高精度分析は環境対応と事業継続を両立するための大きな支えになります。

微量元素分析(極微量分析)は、豊富な実績のある弊社にお任せください。詳細はこちら。

図1.測定事例(PGMEA中に含まれる金属元素
PGMEA①=リサイクル前の結果、PGMEA②およびPGMEA③=リサイクル後の結果(リサイクル溶剤)


  

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(このコラムの監修者:分析検査部 吉原)