農林水産省では、食品中のPFASに関する実態調査が行われています。
食品中のPFASに関する実態調査(農林水産省)
食品中のPFASについては、これまで食品群ごとのPFOS及びPFOAの平均含有濃度等を把握するための予備調査が実施され、一般的な食生活では魚介類(=水産物)が主たる摂取源であると推定されました(平成24年度~平成26年度)。その後、水産物中のPFOS、PFOAの予備的な調査が実施されました。令和6年度以降は、農畜水産物の生産段階における対策など食品中のPFASに関するリスク管理措置の必要性の検討を行うため、国産農畜水産物のPFAS含有実態が調査されています。
実施年 | 取組 | 取組の詳細 | 対象品目 | データ |
平成24~26年度 | PFOSとPFOAを対象としたトータルダイエットスタディ | – | – | 有害化学物質含有実態調査結果データ集(平成25~26年度) |
令和3~4年度 | 水産物中のパーフルオロアルキル化合物の実態調査結果 | PFASのうち、PFOS、PFOAの2種について、水産物を対象に実施した予備的な調査結果。 | – | 有害化学物質リスク管理基礎調査委託事業調査結果(令和3・4年度) |
令和6年度 | 国産農畜水産物のPFASの含有実態調査 | PFASのうち、PFOS、PFOA、PFNA、PFHxSの4種類について、国産農畜水産物を対象に調査。 | 農産物:ばれいしょ、キャベツ、トマト、コメ 畜産物:牛肉、豚肉、鶏肉、牛乳、鶏卵 水産物:マイワシ、カツオ、マダラ、アサリ、アユ | 令和6年度国産農畜水産物のPFAS含有実態調査の結果について (こちらのデータの詳細は次項に記載しています。) |
令和6年度 | 国産農水産物のPFASの含有実態調査(補正予算) | PFASのうち、PFOS、PFOA、PFNA、PFHxSの4種類について、国産農水産物を対象に調査。 | 農産物:ダイコン、ニンジン、ホウレンソウ、タマネギ、ブロッコリー 水産物:サケ・マス類(ギンザケ(海面養殖)、ニジマス(内水面養殖))、ホタテガイ、マサバ | – |
令和7年度(今年度) | 国産農畜水産物のPFASの含有実態調査 | PFASのうち、PFOS、PFOA、PFNA、PFHxSの4種類について、国産農畜水産物を対象に調査。 | 農産物:ハクサイ、キュウリ、ナス、サトイモ、ダイズ、小麦(玄麦)、リンゴ、ミカン(温州みかん) 畜産物:牛肉、豚肉、鶏肉、牛乳、鶏卵 水産物:クロマグロ、マダイ、ブリ、マゴイ、マガキ、ワカメ(海藻加工品) | – |
※詳しくは、食品中のPFASに関する情報(農林水産省)をご確認ください。(引用:2025年9月5日,農林水産省, https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/PFAS/index.html)

令和6年度の調査結果と今後の方針(農林水産省)
令和6年度、国内初の本格的なPFASの含有実態調査が行われました。農林水産省は国産の農畜水産物についての濃度分布に関する知見を集積している段階です。令和6年度の調査結果では、通常の食生活において14品目からのPFOS及びPFOAの摂取量は食品安全委員会が示したTDI(耐容一日摂取量)と比較すると十分に少ない水準であり、問題になる国産の農畜水産物はありませんでした。しかし一方で、一部品目ではPFOSまたはPFOAの濃度に大きな幅が見られることが分かり、品目によって含有実態が大きく異なる可能性が示唆されました。農林水産省では、令和7年度も対象を14品目以外にも拡大しながら含有実態調査等を継続し、知見の集積をされる方針です。また、令和6年度の調査で、特異的に高い値が見られた試料については、さらに含有実態の把握や要因の調査が進められます。こうした調査結果は、ウェブサイト等での情報発信を通じて、食品中のPFASに関するリスクコミュニケーションが進められていく予定のようです。
※詳しくは、令和6年度国産農畜水産物のPFAS含有実態調査の結果について(農林水産省)をご確認ください。(引用:2025年8月,農林水産省,https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/PFAS/attach/pdf/index-8.pdf)
食品中のPFAS分析法
令和6年以前は国内で食品中のPFAS分析法がなく、米国食品医薬品局(USFDA)から出ている分析法で実施されていました。その後、令和6年8月に農林水産省 消費・安全局より新たにPFAS分析法が発表されました。この分析法は農産物中の PFOS、PFOA、PFHxS 及び PFNA について定量可能となることを目的として開発されました。農林水産省が行う農産物のPFAS含有実態調査や、自治体が農産物中のPFAS 濃度を測定する際に利用されることも期待されています。
当社にて食品中のPFAS分析実施中
農林水産省では、食品中のPFASの受託分析を行っている分析機関をリスト化されています。
食品中のPFASの受託分析を行っている分析機関一覧(農林水産省)
全国で13の分析機関が対応可能であり、日吉でも食品中のPFAS分析を実施しています。
弊社ではUSFDAの分析法、農林水産省の分析法のいずれでも対応可能です。
食品中のPFAS分析をご検討の際はお気軽にお問い合わせください。
★清涼飲料水(製造基準)、ミネラルウォーター類(成分規格、製造基準)のPFAS検査も承っています★
飲料水、排水、環境水のPFAS検査は下記よりご注文ください。
[飲料水]PFOS水質検査のご注文はこちら
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(このコラムの監修者:分析検査部 中田)