レジオネラ属菌の発生源、レジオネラ症の症状とは?

2025年6月、大阪・関西万博の会場内の海水から「レジオネラ症防止指針」の指針値以上のレジオネラ属菌が検出されました(引用:https://www.expo2025.or.jp/news/news-20250606-05/)。
 

レジオネラ属菌はなぜ発生するのか?
レジオネラ属菌は、水環境に自然に存在する微生物であり、特に20℃~50℃の温度範囲で増殖しやすい性質があります。この菌は通常、低栄養の条件下でも生存でき、多くの水系配管や設備装置内に潜んでいることが知られています。これらの環境で特に増殖が進む理由としては、水の停滞や不十分な消毒、そして配管の老朽化や汚れが考えられます。湿った環境や水溜り、定期的な清掃や水質管理、十分な浄化が行われていない場合に、菌の増殖が顕著になります。
  

レジオネラ属菌はどこで発生するのか?
レジオネラ属菌は、自然界の湖や河川、温泉など、様々な水環境に存在しますが、人工環境においても多く発見されます。具体的には、冷却塔、給湯システム、プール、ジャグジー、そして噴水などの人工水設備で菌の活動が観察されることが多いです。
 

レジオネラ属菌に感染するとどうなるのか?
レジオネラ属菌に感染すると、一般的にはレジオネラと呼ばれる肺炎の一種を引き起こします。この病気はレジオネラ菌が含まれる水滴を吸入することで発症し、悪寒、咳、高熱、全身倦怠感、頭痛、呼吸困難、吐き気等の症を起こします。肺炎型と肺炎を起こさないポンティアック型(主として発熱、頭痛)に分類されます。前者が最もよく見られますが、ヒトからヒトヘは感染しません。特に高齢の方や喫煙者、呼吸器系に基礎免疫疾患のある方、糖尿病などの感染防御機構の低下した方は重篤化しやすく、適切な治療が行われなかった場合には致死率が上がるというリスクがあります。

 

 
レジオネラ属菌の感染を防ぐには?
レジオネラ属菌の感染を予防するためには、適切な水の管理が不可欠です。このためには定期的な清掃と適切な消毒の実施が不可欠であり、特に大型施設では定期的な水質モニタリングを実施して早期に問題を発見し、対処する体制を整えることが推奨されます。また、施設内の設備や配管の老朽化を防ぎ、定期的な点検を行うことも重要です。

適切な対策を講じることで、レジオネラ属菌の感染リスクを大幅に軽減し、安全な水利用を確保することができます。施設管理者のみならず、利用者一人ひとりの意識向上も大切です。
 
 
日吉は、計量証明事業登録(滋賀濃度第6号)事業所であり、温泉成分分析機関登録(滋賀第2号)、衛生検査所登録(滋衛検第13号)の安心・安全の根拠を担う分析機関です。
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(このコラムの監修者:分析検査部 堀江)