DON(デオキシニバレノール)とは?
DON(デオキシニバレノール)とは、麦やトウモロコシ等の穀類の病害である赤かび病の原因となる赤かび菌(フザリウム)が産生するかび毒の一種です。DONは穀類の収量や品質を低下させるだけでなく、人体に有害な影響を及ぼすこともあります。DONは熱に対して安定であり、加工や調理工程で完全に除去することは困難なため、生産段階においてその汚染を予防及び低減することが重要です。
DONの基準値
国内では、2002年から小麦に対するDONの暫定的な基準値(1.1 mg/kg)が定められていましたが、2021年に食品衛生法に基づく成分規格として、小麦(玄麦)についてDONを1.0mg/kgを超えて含有するものであってはならないと定められました。
生産段階におけるDON汚染対策
麦類のDON汚染リスクを減らすには赤かび病の発生を防ぐことが最も重要です。
DON汚染は、主に作物の開花期以降の湿度や降雨のタイミング等、環境条件に大きく影響されます。また、品種の選択、播種の時期、前作作物、土作り、伝染源植物、農薬の選択なども影響を与える要因となります。
赤かびの防除のために、日本では、農林水産省から「麦類のデオキシニバレノール、ニバレノール汚染の予防及び低減のための指針」および「指針活用のための技術情報」が出されています。その中では、赤かび病防除のための取組事項、栽培管理・乾燥調製等の工程における取組事項、かび毒検査の活用が示されています。
近年、赤かび病に関する病害虫発生予察情報が多く出されており、DONが基準値を超えて含有された食品が流通し、大きな問題になりました。
今後ますます、DON検査の重要性が増してくると考えられます。
【参考】
農林水産省 いろいろなかび毒 デオキシニバレノール(DON)
農林水産省 麦類のかび毒汚染予防・低減指針
厚生労働省 食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について(小麦中のデオキシニバレノールに係る基準値の設定)
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